タケウマ・フォト五七五

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2009年 08月 03日

Tell Her You Saw Me

炎昼の骨さらさらと骨壷へ
喉仏震はすものなし蝉時雨
頭蓋骨納めて八月始まりぬ

f0100234_1945775.jpg●「Tell Her You Saw Me」  Pat Metheny

 従兄弟が死にました。ボクの父の姉の長男であった彼は20歳近く年上で、従兄弟というよりは面倒見のよいおじさんのような存在でした。東京タワーに初めて連れて行ってくれたのは彼でした。小学校の頃擦り切れるほど聴いて最後は本当にテープが切れてしまったビートルズの赤盤・青盤のカセットテープは、彼がダビングしてくれたもの。そう、オールナイトニッポンを聴こうとすると決まって北朝鮮の放送が入ってくる目覚まし付きラジオも彼の部屋から奪ったものでした。写真、8ミリ、音楽、短歌などなど多くの趣味を持つ彼は、親の教えてくれない新しい世界の入り口を、小学生だったボクに見せてくれたのです。
 ボクが中学校でサッカーとギターに夢中になっている頃、彼は心の病にかかりました。結婚していた妻や息子と離れ、入退院を繰り返し、仕事も辞めざるをえなくなります。そして、長い長い病院生活の後、彼は白い骨となったのです。
 祭壇に飾られていた遺影は、ボクが知っている昔の彼でした。かつての幸せな時代を思い出させてくれる写真に、ボクはパット・メセニーの作ったレクイエムを贈りたいと思います。標題曲は、パットの失恋の喪失感を曲にしたものと言われていますが、ボクにはそれ以上の空虚を感じてしまうので。
 『Secret Story』(1991年)収載

■炎昼(えんちう) 夏の昼

 とにかく暑い一日でした。何度の炎で焼くのか知りませんが、骨だけは残るのですね。何度も見た光景のはずなのに、いつも骨の白さに眩暈を覚えます。
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by takeuma777 | 2009-08-03 18:00 | 夏・時候


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