タケウマ・フォト五七五

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2014年 09月 09日

My Opening Farewell

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当たり屋のロクの遺影のパナマ帽


触れあふて親しからずや心太


螢火の消えて人差し指残る


水のないプールに一人桜桃忌


雨雲へむかふ電車やひめぢよをん


客引きの背の大汗と行く奈落


色町の眠りのなかに半夏生


トンカツの断面さくら色の夏


帰省子の小さきタトゥーが胸の上


背に水の欠片鏤めプール出づ


真夜中のプールの底に千の鍵


夕立の去りてガソリン色の空


夕暮れて水の匂ひや夏の果


秋立つや金糸銀糸の帯に鳥


朝霧の野より微かに電子音


初秋や砂鉄を拾ふ棒磁石


遠ざかる軽き杖音処暑の風


サルビアの蜜永遠の昼休み


流星や舌に転がす金平糖


金剛の杖立てかけて白露かな


吊革に万の指紋や法師蝉


人一人逝きて九月の雨よ降れ


沈黙をうつす無月の水たまり


美しきものに死顔秋澄みぬ


十六夜の海へ一艘旅立たす



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# by takeuma777 | 2014-09-09 15:04 | 秋・時候
2014年 02月 25日

Someday Man


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大楠の背より水音春立ちぬ


ばちばちと楠の実を踏めば春


折鶴の千羽重なりひこばゆる


さきがけて迷ひてをりぬ梅の園


巡り来て春告草のこんなにも


瀬を早む水は水色芽吹山


婆様の問はず語りや梅真白


尊厳死語る翁の梅見茶屋


のどけさや鳥の言葉を話す人


バス飛び乗れば春の海見えてくる


春めくや風に乗りたる鳥の影


早春の風の言葉を波が継ぎ


卵焼二つ春光をいただきぬ


春昼やバーのマダムの腕に猫


静けさは鏡のなかのチューリップ


栄螺こきこき磯自慢磯自慢


白魚のあまたなる目が喉通る


春水に触れし手を振るさやうなら


吟行の果てて熱海は春の月




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# by takeuma777 | 2014-02-25 19:04 | 春・時候
2013年 10月 11日

Letter from Home

Letter from Home

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生身魂鼻毛伸ばしておはしけり

百日紅遺影の肩に星一つ

さはやかや一人で食べる磯辺巻

秋水で顔を洗つてしまふとは

秋澄むや畳んでしまふ万国旗

秋口の猫へ裏木戸開け放つ

うたた寝の母の湯呑みへ秋の風

放蕩の叔父の早世木の実独楽

芋の葉や広き額の廬舎那仏

風立つやどこかに鹿のゐるらしく

あきてふのはねをつくろふきぬのほし

襟元の鳥の刺繍や涼新た

星々の神話かなしき夜食かな

新宿は鉄の味するハイボール

右の手をのばすかそけき声の秋

人妻をのせて木馬のまはりだす

異星人来るなら鈴虫の鳴く夜

月光の蛇口に吸いつく口二つ

色町をぬけて鉄路に朝の月

溜息の後の沈黙ラフランス

深爪をなめて花野は雨模様

秋の水とはオフィーリアの揺るる手

秋澄むや天子は鳥に囲まれて

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# by takeuma777 | 2013-10-11 17:27 | 秋・時候
2013年 08月 23日

自由律俳句「しばり」マラソン『百縛百句』



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001 「雨」しばり
春の雨連れて行進のランドセル
 
002 「日曜日」しばり
バター溶けてゆく日曜のホットケーキ
 
003 「鍵」しばり
鍵にぎりしめた手をなくさないように握りしめる
 
004 「読書」しばり
赤鬼と青鬼と泣いた赤鬼と泣いている君と
 
005 「忠犬」しばり
もういない太郎のタオルで寝るのか
 
006 「引っ越し」しばり
寄せ書きの「あす2じこーえん」名前ないけどもときの字だね
 
007 「花火」しばり
手花火のおわりはいつもバケツにジュッ

008 「電話」しばり
呼び出し音二回で切れるとママの鼻歌
 
009 「文房具」しばり
グルグルグルグル鉛筆削りに吸い込まれてゆくきみ
 
010 「写真で一句」
仲間はずれは死刑にしてよコーヒーじゃなくてパフェになりたい

 

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011 「祈り」しばり
折鶴を折れないもときに八月の光

 
012 「エコ」しばり
どちらかというとママのはケチらしい

 
013 「朝」しばり
ヒモ長すぎてチンチンにあたるラジオ体操カード

 
014 「薬」しばり
What a Wonderful World. 薬指吸って眠る

 
015 「畦道」しばり
誰が落とした棒なのか草むらつついてみる



百句まで続きます♪ 道のりは遠いね♪

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# by takeuma777 | 2013-08-23 13:30 | 自由律
2013年 08月 07日

惑星

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油虫天声人語もて叩く

背伸びせば風の集まる半夏生

一村のごとき雲行く苔清水

滴りや山あかつきの雲の中

青葉闇方位磁石の微熱めく

終りなき螺旋階段油照

妻の眼の火星人めく炎暑かな

饒舌はちよいと梅酒を呑みし故

口開けて眠る妻ゐる土用入り

高く飛ぶ鳥のまばらに土用波

冷汗やるの字の顔ですすりたる

すいと吸うすももの種やすもももも

焼茄子や一番星の空低く

涼風や黒髪白髪禿頭へ

すっとこどっこいな俺が唄うよ愛の歌

ガソリンの匂い遠くで祭笛

玉虫や羽根に星屑付けて来し

すべて終わった明日の米研ぐ

ピアス穴数えて眠るバナナかな

寝返りの途中夜汽車が通り過ぐ


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# by takeuma777 | 2013-08-07 17:36 | 夏・時候
2013年 06月 25日

水の戯れ

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冷麦や色白にして子沢山

アルマイト鍋に凸凹集汁

曼荼羅の星の数多に蛇の衣

透かし見る山は苔色蛇の衣

こめかみの奥の泡立つ夏至の雨

梅雨寒の飛ぶことのなき千羽鶴

梅雨冷やブリキバッヂに錆少し

美しき僧の耳毛やさみだるる

さみだるる野に縦笛の音色かな

水切の石はとこしへ夏の川



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# by takeuma777 | 2013-06-25 18:48 | 夏・天文
2013年 06月 13日

Move Over Darling

Move Over Darling


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剃り残しあり初夏ののどぼとけ

初夏や赤子の口へ銀の匙

小刀で削る鉛筆夏はじめ

炒飯へ塩の一振り夏兆す

夏めくや貝のかたちにチョコレート

母の日の母がステーキ喰ひたるよ

今日もよいお天気でした豆ご飯

とこしへに炬燵におはす夏蜜柑

小満の妻の寝言に子の名前

麦秋やゴッホに残る右の耳

夏の蝶ぶつかるやうに飛んでくる

蝋石でえがく○×迎え梅雨

うたた寝の妻が素足を折り畳む

放蕩の父の右手のラムネかな

洗ひ髪十指に余す憂さありぬ

玉葱のやうな妻ゐるありがたう

涌くやうに溢るるやうに子蟷螂

万緑やママチャリ北へ爆走す

にぎる手に手のひらふたつ五月闇



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# by takeuma777 | 2013-06-13 19:17 | 夏・時候
2012年 12月 29日

歩いて、車で、スプートニクで

歩いて、車で、スプートニクで

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凍空やパジャマに少し歯磨き粉

おはやうのかたちに白き息出づる

七色の手袋空を押し上ぐる

眠たげな眼のせたるマスクかな

安部内閣発足

美しき国や冷たき足で踏む

人参やルピックさんははげあたま

美容室マキの窓辺や室の花

鯛焼きや尻尾の先まで内臓が

さつきまで狸でありし骸かな

レコードの針は回らず年暮るる

聖夜劇了ひて聖夜の空残る

歳晩の星を見てゐるろくでなし



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# by takeuma777 | 2012-12-29 20:38 | 冬・時候
2012年 12月 13日

翳りゆく部屋

翳りゆく部屋
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返り花空へ小さき礼をなす

荷車で運ぶ落ち葉や翁の忌

凩や信号機には目が三つ

さらさらと落つる夕日よ返り花

流しへと落つる水音冬の暮

猟犬の鼻先にある死の香り

諸行無常唯我独尊毛糸編む

焼き鳥の串の重なる此岸かな

鮟鱇の肝に混沌ありにけり

夜咄の一人は顔のない男

煮凝りやいつしか夜の奈落へと


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# by takeuma777 | 2012-12-13 18:00 | 冬・時候
2012年 11月 11日

Andromeda Heights

Andromeda Heights
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木星の環のまはりたる冬隣

爪の背に地平線あり秋惜しむ

立冬の車両に集ふ朝日かな

補助線の交はるところ冬立ちぬ

金星の瞬くころの毛布かな



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# by takeuma777 | 2012-11-11 18:18 | 冬・時候